形に囚われない。1日1組限定の食堂が大事にしたことは全てに通じる考え方。
こんにちは!
最近、家で引きこもることもあって、過去に読んだ本を漁ってました。
その中で、料理っておもしろそう!と思うきっかけになった本を見つけました。
今回はそんな食堂かたつむりについて書いていきます。
食堂かたつむりとは
2008年に小川糸さんが執筆した小説で、映画化もされている作品です。
主演には柴咲コウと大物を起用するほど期待感のある物語なのですが、この作品は料理への愛情が凄いんです!!!
ルリコ(主人公)は元々東京でインド人の恋人と暮らしていたのですが、恋人が家のもののほとんどを持ち去ってしまいました。
言葉も出なくなってしまうほどの失意の中、不仲な母がいる故郷に帰り、物置だったところを食堂に改築してレストランを始めます。
東京でも料理に携わっていた経験もある中、どんな形で料理をしていこうかと考えた結果、来た人が幸せになってほしい、という願いを込める料理をすることを決めます。
そして、1日1組限定で、今日来たお客様のことだけを考えて料理を提供し、たくさんの奇跡が生まれるという物語です。
料理に形はない、あるのは想いだけ
物語の中で、通常の飲食店では考えられない、メニューを1から考えるという試みをしています。
私は料理の世界に入ったことはないのですが、おそらく調理師専門学校に行くときは「こんな料理がしたい」という想いだけがあったと思います。
そしていつしか日本料理、中華、イタリアン、フレンチ、といったジャンル分けがされてそれぞれの専門家へと育っていくのが外から見た料理の世界です。
形に囚われるとできることが制限されてしまいますね。
そんな形への囚われをなくし、想いだけの原点に立戻らせてくれる。
料理ってこんなに人を魅了してわくわくするものなんだと食堂かたつむりを読んだ時に思いました。
一事が万事、想いからの逆算で形を作る
特にこの作品で興味が湧いたのは、ルリコが料理に関しては柔軟な姿勢なのに対し、人間関係には不器用なことでした。
料理を振舞う相手の背景を理解し、それぞれのシチュエーションに寄り添った料理を出せるのに、なぜ母親とは不仲になってしまったのか。
真実は作中で知って頂きたいですが、相手を知ることの大切さを教えてくれることが描写されていました。
人間関係も同じで、こうだ!と思い込んだ時点で幅が狭まってしまいますね。
今起きていることから考えるのではなく、その人がなぜそうして、どうしてそう判断するに至ったのか、人間関係は知れば知るほど奥が深く、形がないものです。
いい料理をすることも、いい人間関係を築くことも、考え方は同じなのかもしれませんね。
食堂かたつむりに教えてもらったこと
いかがだったでしょうか。
できるだけネタバレをせずに概要から魅力を伝えようと書きました。
この作品から教えてもらったのは、「想い」と「形に囚われない」ということです。
ついつい私たちは今できることから考えて理想に辿りつこうと考えますが、うまく行く人は考え方が逆なんですね。
まずどうしたい、どうなりたいという「想い」からスタートして、それを実現するために手段として方法がある。
料理も形があるわけではなく、相手に喜んでほしいという想いから最適なものを選んでいるこの作品は、現実離れしていることはあるかもしれませんが、料理人の理想を描いていると言えるのではないでしょうか。
人間関係も、本当はお互いを信頼したり、頼りにしたいと思っていると思います。
その想いから動けば必然的に相手を知るようになるということですね。
この作品から教えてもらったことを実践して、想いを形にしていきたいですね。